Aprilのダイエット日記

50歳を過ぎてから体重が全然落ちないどころか増えていく一方で頑張って痩せてキレイ!を目指す女性企業家の日記

糖質燃焼型から脂質燃焼型のカラダへ(前編)

人間には糖質と脂質の2つのエネルギータンクがあるというお話は、糖質制限のところで、以前させていただきました。

糖質制限に関する記事はこちら】
https://e-april.hatenablog.com/entry/2020/01/23/231238

https://e-april.hatenablog.com/entry/2020/02/14/173525

 

ダイエットを行う上で、通常は必ずカロリー計算を行いますが、実は、この「脂質を燃焼させるエネルギータンク」の考え方をベースにすると、それは本当に意味があるのか?という話になってしまいます。そこで、ここからDr.アイザック・ジョーンズの「超一流の食事術」より、ポイントをまとめて解説します。

私たちの祖先は原始の時代から約400万年もの間、狩をしてカラダに脂肪を蓄え、脂質をエネルギー源として飢えと闘って生きてきたというものです。穀物を栽培して糖質からエネルギーを得るようになったのは、今から1万年前のことで、私たちのカラダはもともと脂質を燃焼してエネルギーに変える「脂質燃焼型=ファットバーニング」に合わせて作られているとのことです。

f:id:E_April:20200605172424j:plain

Fat Burning

また、糖質の燃料タンクはすぐに燃料を取り出せるというメリットはありますが、最高でも大凡2,000キロカロリーしか蓄えることができないのに対し、脂質の燃料タンクの方はなんと約4万カロリー、糖質タンクの20倍近く溜めておくことができるそうです。

つまり通常は「ファットバーニング」を使って燃料を補給し、緊急時だけ「糖質燃焼型=シュガーバーニング」に切り替えるという構造になっているとのことです。

そして現代社会では、狩猟時代や農耕時代のように苦労せずとも食べ物をいつでも簡単に手に入るようになり、容量の小さい糖質の燃料タンクだけでも十分に満杯にできるようになったため、「シュガーバーニング」のシステムだけ使うようになったということのようです。

さて、ここからが問題なのですが、このシュガーバーニングシステムによって、実は糖尿病のみならず、心臓病、脳血管障害、がんの発生率が高くなっているとDr.ジョーンズは指摘しています。

シュガーバーニングの分かりやすい例を説明します。

糖質は体内に入ると「グルコース」という物質になり、このグルコースを体内の細胞に運ぶ役割が、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。そして細胞は届けられたグルコースを使ってエネルギーを作り出します。

食事を摂った後は、細胞に運ぶために「グルコース」という糖質を載せた「インスリン」というトラックが大量に血管の中を走っているため、血液中のグルコース濃度=血糖値が上がります。そして、この「インスリン」は、糖質が入ると一気にスパーク(急上昇)するのですが、減るときも急激な勢いでなくなります。つまり血糖値が一気に上がって一気に下がる。その結果、血糖値がいつもアップダウンし、不安定な動きをくり返します。つまり細胞に供給できるエネルギー源も安定しないため、内臓の機能や脳のエネルギーレベルも一定に保つことができず、集中したり、記憶したりといった機能も安定しないわけです。ダイエットにおいても、血糖値を一定化させることが必須ですので、これは絶対に避けなくてはいけない状態ですねー。

一方、ファットバーニングはインスリンのスパークが起きないので、血糖値が常に安定した状態でキープされ、エネルギー源は脂質タンクから安定的に供給されるため、脳や体の機能が最適な状態で維持されるということです。

また、糖質は腸内に住む悪いバクテリアのエサにもなります。腸内にいる悪玉バクテリアは糖質が入ってくると、もっとたくさん糖質を得ようと、人間が甘いものをほしがるような物質を作って体を誘導するそうです。さらに怖いのは、あり余った糖質がタンパク質などとくっついて温められているうちに「AGE」という物質に変化します。このAGEというモンスターは細胞を攻撃し、炎症を引き起こす物質だそうです。

f:id:E_April:20200605172924p:plain

Image of Suger Burning

さて、このようにシュガーバーニングの体質をファットバーニングに移行した方が良いのは理解できたとして、問題は「摂取カロリーはどうなるのか?」という点ですが、Dr.ジョーンズは、カロリーが高い=太るという認識は間違いだと指摘しており、高カロリーの脂質(アブラ)をたくさん摂っても体重が増えることがなかった、つまりカロリーが太る原因ではなかった、という調査報告もあるそうです。そして肥満の真犯人はむしろ「炭水化物」と「砂糖」だと指摘しています。

逆に「ローカロリー」を長期的に続けていくと、体が飢えてくるので猛烈に甘い物が食べたくなり、「ローファット」にして脂質を減らすと「レプチン」という脂肪細胞から出されるホルモンが減少してしまいます。このレプチンは「満腹ホルモン」とも呼ばれ、食べ過ぎを防ぐ大切なホルモンのため、レプチンが減ると、食べても食べても満腹感を得られないために、結局のところ体重が増えてしまう・・という悪循環に陥ってしまうのです。

そして、ローファットのもっと恐ろしい点はカラダを弱くするだけではなく、微量栄養素(ビタミン類)を吸収するには脂質が不可欠なため、カラダに吸収することができなくなること。さらに、脳が消費するはずの必要なカロリーが不足して十分な栄養が行き渡らず、脳の60%は脂肪が占めていますから、脂質を原料とする神経伝達物質やホルモンの機能が落ちる、つまり脳の機能が低下して頭が働かなくなる、ということまで起きてしまうということです。

つまり最も重要なのは、カロリーを減らしたり、脂質をカットすることではなく、カロリーと脂質を健康的に摂取し、「良いアブラ」を摂ることで、細胞を生まれ変わらせ、炎症を防ぎ、体の機能を高めて健康的な状態にしてくれる、ということです。そして脳の機能が高まり、炎症の慢性化が原因で起こる病気を防ぐこともできる、ということでした。ここまでで、だいたい本の半分くらいの内容になりますが、長くなるので後編はまた別の機会に書きますねー。