良質なタンパク質を摂って、コラーゲンをたくさん生成しよう!
まだまだ暑い日が続いていますね。
前回は私たちのカラダの70%を占める水分の大切さと水分補給のお話をしましたが、その際に体内でも水分が作られるということにも触れました。例えば、炭水化物や脂質を燃焼、分解してエネルギーを作る時、タンパク質がアミノ酸に分解されてエネルギーを作る際に水分が作られます。そして、タンパク質を合成する時、タンパク質がらせん状に集まって「コラーゲン」を形成するのですが、そのアミノ酸の糸を3本ずつ撚り合わせたコラーゲンを作る時にも水分が発生します。
ところで「コラーゲン」は美肌にとって必要不可欠なものとして有名ですね。肌をブロック塀に例えるなら、その土台となるのがコラーゲン組織で、その上に乗っかっているブロック自体はタンパク質や脂質などの細胞になります。
そして、コラーゲンは実は「肌」だけではなく「骨」にとっても非常に大切だということはご存知でしたでしょうか?
骨を鉄筋コンクリートに例えると、カルシウム・マグネシウムなどは外側のコンクリートの部分でしかなく、一番柱となって支える大事な鉄骨部分は実はコラーゲンで出来ているのだそうです。一般的な骨密度検査で分かるのは、カルシウムなどの数値であり、外側のコンクリート部分だけなので、本当にどのぐらいの強度があるのか、つまり鉄骨の部分については分からないんですね。なので、年齢を重ねるとなおさらコラーゲンは重要になってきます。
また、コラーゲンが足りないと血管も破れやすくなるそうです。気づくとあざが出来ていたり、または血が止まりにくいなどの症状もコラーゲン不足を疑った方がいいかもしれません。そして、腸管の土台である基底膜もコラーゲンでできていますので、健康キレイを維持するために、コラーゲンは重要だというわけですね。
では、そのコラーゲンを生成するアミノ酸、つまりタンパク質はどのようにどのぐらい摂取すれば良いのでしょうか?
タンパク質は、そもそもカラダの筋肉、内臓、ホルモンなどあらゆる組織を構成している栄養素であり、消化吸収の役目も果たし、代謝を上げるためにも必要ですから、たくさん摂れるのがベストですが、一般的にご自身の体重に0.9~1gを掛けた量は摂るようにした方がいいようです。体重60キロだった場合は、60グラムということになりますが、そのまま肉を70グラム摂ればいいというわけではありません。例えば鶏のむね肉100グラム当たりのうち、約70%以上は水分で、脂質その他の栄養素も含むため、実際のタンパク質量は20%程度です。とすると、300グラムほど食べないと60グラムに達しない計算となりますので、案外たくさん食べないと1日の摂取量に満たないということになります。
また、タンパク質を合成する際には亜鉛が必要となりますし、3つに編みこんでしっかりとしたコラーゲンを作るためには、鉄とビタミンCが必要になります。これらのミネラルやビタミンはカラダの中では合成されないため、外から摂らないといけない栄養素ですので、これらを含む食品もしっかり摂る必要があります。
ちなみにプロテインスコアという指標があり、食品中のたんぱく質の品質を評価するための指標があります。その中で、100点満点の数値が付いているものが、卵としじみです。特に卵は万能食品と言われており、卵1個で必要な栄養素は「ビタミンC」は以外は全て含んでいますので、毎日食べてもよいくらいですね。
またしじみも、鉄分・亜鉛などを含んでいますので、コラーゲン生成に一石二鳥です。特に亜鉛は貝類に多く含まれるミネラルですが、欠乏しがちな栄養素で、不足すると味覚障害を起こしますから、今流行っているコロナの症状と見分けがつかなくなるので要注意です。さらにしじみの中に含まれるコハク酸はうまみ成分として甘味をもつアミノ酸ですが、コレステロールを抑える働きもあるといわれているそうです。二日酔いにもしじみ汁が有効ですし、小さいながらも優れた食品なんですね。
この他にもさまざまな食品があると思いますが、私はコンビニなどでよく、半熟ゆで卵やサラダチキンなどを購入し、間食に摂っています。また、夕飯の用意が面倒な時はサバ缶や納豆などの植物性タンパク質を摂ります。しっかり自炊しなくても、色々な工夫で必要な栄養素を上手にとることもできますね。
タンパク質は、
1)カラダの細胞を作るのに必要
2)しっかりとした骨を作るのに必要
3)カラダの中の水分を作るのに必要
4)カラダを動かすのに必要
5)食べた物を消化するのに必要
その他にも、
6)イライラなどの感情を安定させるために必要
7)良質な睡眠をとるために必要
なのだそうです。
上記のことからも、ぜひ積極的にベースとなるタンパク質を摂っていきましょう!
【熱中症に注意】水分が足りないとどうなるか? 水分補給をたくさんしましょう!
今月に入ってから毎日とっても暑いですねー。今年は梅雨明けが遅かったせいもあり、8月になってからの暑さが身にしみます。ただでさえ、お盆の時期は暑いので、毎日のように熱中症アラートがきていますが、今年は新型コロナウイルスの影響でマスク着用により、さらに熱中症になるリスクが高まっています。
マスクをしていると、自分の呼吸を吸い込むことになるので、温かい空気しか入ってこないことになります。呼吸でカラダを冷やすことができず、熱がこもりやすく発散しにくくなってしまうため、体温が上昇しやすくなってしまいます。さらにこれに加えて、マスクによって加湿されるので口内に水分を感じ、口の渇きに気づきにくくなってしまうため、水分補給が遅れる傾向にあります。
夏は通常よりも特に水分補給が必要な時期なので、このように熱中症にならないためにもこまめに水分を摂るようにしましょう。
なお、熱中症の時期でなくとも水分は人間のカラダにとって非常に大切です。カラダの中の水分量の理想は70%と言われていますので、しっかり水分を摂る必要があります。
また、そもそも水分が足りないと、下記のような症状が起こりますので、もし思い当たる人は水分不足を疑ってみた方がよいかもしれません。
・カラダがだるくなる
・腰や脚に痛みを感じる
・手足がこわばったり、しびれを感じたりする
・胃がもたれやすい
・口の中がネバネバする
・肌がカサカサする
・味を感じにくくなった
(味覚障害の場合は、水分だけではなく亜鉛も足りない可能性があります)
・疲れやすい
・頭が重くなったり、痛くなることがある
・冷えやすい
また、塩分の摂りすぎ(ナトリウム、カリウムの摂りすぎ)によって、血圧が上昇したり、腎臓が悪くなったりという症状も起きることがあり得ます。
では、摂った水分はカラダにとってどのような役目を担っているのでしょうか?
まず体内水分の役割として最も大切なのは、「体温を調整する」機能です。
これは熱中症予防でも知られていると思いますが、水分によって体温を下げたり、もしくは逆に上げたりするといった役割をもっています。
そして、朝一での「消化器官の目覚め」のために水分が必要となります。
さらに、我々がふだん意識していない水分の役割としては、「脂肪やタンパク質などを分解する時」に必要だということです。そして、タンパク質や炭水化物、脂質を燃焼、分解してエネルギーを作る際に水分が作られたり、タンパク質を合成する際にも水分が作られたりします。これらの両方でだいだい0.5リットルくらいの水分が作られるそうです。
つまり、体内の水分を上げるためには、食事の量をしっかり摂ること、腸からの栄養の吸収率を上げること、バランスのよい食事を心がけることも大切になります。
特にタンパク質はカラダの細胞を作ったり、骨を作ったり、食べたものを消化するためにも必要で、かつ「良質な睡眠をとる」ためにも必要なので、そのタンパク質を分解するために必要な「水分」は、特にしっかり摂る必要があるということですね。
では、通常、どのぐらいの水分を摂る必要あるのでしょうか?
計算式としては、ご自身の体重×30ccとなります。例えば50kgの人であれば1日1500ccという計算になります。但し、体重70kgの人も1日の上限は2リットル程度を目安にしたらよいようです。
ちなみに、私達のカラダでは、呼吸や吐く息で0.5リットル、汗など0.5リットル、尿や便で1~1.5リットル、皮膚から蒸発などを含めると、1日で合計約2.5リットルの水分が失われています。補う方は、食事などに含まれて補給される水分が約0.5リットルと、先ほどお伝えしたようにタンパク質を合成したり、炭水化物や脂質を燃焼、分解してエネルギーを作る際に約0.5リットルくらい作られますので、意識的に水を摂る量は計算上、2リットルあれば大丈夫のようです。
ただし、カフェインやアルコールは利尿作用で体外に水分を排出してしまいますから、摂ったらその分はマイナスと計算して補水する必要があります。
夏場は、外出先でアイスコーヒーとか、冷たいビールなどをつい飲みたくなりますので、それはそれで摂ったら、その分と同じ量の水分を逆に摂るように意識してみるとよいでしょう。そうすることで、水分不足にならず、熱中症を未然に防ぐことにもなりますので、ぜひ意識的に水分補給するようにしてみてください!
ダイエットをより楽しく! よく噛むことの大切さ
今年の梅雨はずいぶん長かったですが、今月から本格的に夏の気候になりましたね。夏場は暑さで食欲が落ちる季節ではありますが、冷房の効いた空間で過ごすことも多いので、さほど食欲の変化は起きないかもしれません。
また逆に、運動は外の散歩も暑いですし、汗をかくのでつい億劫になりがちです。頑張って運動をしても、涼しい冷房のお店で、つい食欲を抑えきれずにたくさん食べてしまうってことはありませんか?
実は「食欲」をコントロールしているのは、脳神経です。お腹がいっぱいだと感じる「満腹中枢」とお腹がすいたと感じる「摂食中枢」の2つがあります。そして「満腹中枢」にレプチンというホルモンが働きかけることで、食欲の抑制とエネルギー代謝の調節を行っています。そしてレプチンは、血糖値を調整する役割のインスリンが増えることで作り出され、血糖値は糖質を摂ると上昇します。
また、私たちは食べ物を食べる時、口の中でよく噛んでから飲み込みますが、その時に唾液が分泌されます。唾液にはデンプンを麦芽糖に分解する酵素が含まれていて、分解された糖分が胃から腸へ運ばれ、小腸にある酵素によってグルコース(ブドウ糖)に分解され吸収されます。つまり、糖質の消化の始まりは、胃や腸ではなく「口」からスタートするんですね。そういう意味で全ての食べ物の消化は「口」から始まるために、咀嚼はとても大切だということが分かるかと思います。
ところが、毎日の生活に追われている現代人は、咀嚼回数が少ない人、いわゆる早食いの人が多く、唾液が十分に分泌しないまま食べ物を飲み込んでしまう傾向が強くなってきていると言われています。また、早食いは肥満と深い関係があることも明らかになってきていますので、噛む回数を増やすことで消化吸収を助けると同時に、食欲を抑えることもでき、肥満を抑制することができるかもしれません。
そんなことから、今日はダイエット成功の鍵を握る咀嚼回数をあげる方法、誰でもすぐに簡単に行うことのできる食べ方術をご紹介します。
1)時間に余裕をもち、しっかり噛んで食事をする
まずはしっかり噛みましょう。何か食べ物を口に入れたら、ひと口33回咀嚼するように意識しましょう。食べ物が液状になって形がなくなるくらいまで噛むのがベストです。また、食事の内容にいくら気を配っていても、時間に余裕がなくて、いつも急いでご飯をかき込み、噛まずに飲み込んでしまうと、早食いの原因になってしまいます。食事時間をしっかりと確保することによって、食事に集中することができ、よく噛むことにも繋がります。ゆっくり食べることが大切ですので、特に昼ご飯や夕飯など、量を多く食べてしまう時間帯は、食事時間に余裕をもって、噛む回数をできるだけ増やすように意識しましょう。
2)水分を補充しながら食べる、但し噛んでいる時は水分を摂らない
飲み物を飲むタイミングは、口の中に何も入っていない状態がベストです。水分を摂ることで満腹中枢が自然と刺激されますので、大食を防ぐことができます。ただし、せっかく食事中によく噛んでいたとしても、噛んでいる最中、つまり口に物が入っている状態で飲み物を飲んでしまうと、飲み物と食事が混ざって、飲み込みやすく、流されやすくなるため、嚼む回数が減ってしまいます。飲み物を飲むタイミングも咀嚼回数をあげるためにとても重要です。
3)口に入れたら箸を置く( 箸置きを使う)
箸置きを使用することは、早食いの防止に役立ちます。食事中、ずっと箸を持ったままの状態でいることが多くなると、ついつい口に食べ物をどんどん運んでしまい、早食いになってしまいます。箸置きを使うことで、自然と箸を置くことができますし、箸を置いてゆっくり噛んで食べる、という意識にもつながっていきます。最近は家庭でもあまり箸置きを利用しなくなりましたが、ぜひ使ってみましょう。また外食する際に箸置きがない場合も多いと思いますが、そういった場合は一口入れるごとに箸を置くように意識してみると効果が期待できますよ。
4)食材を小さく切りすぎない、調理しすぎない
食材を小さく切ってしまうと、少ない咀嚼回数で飲み込めてしまいます。そのため、食材はなるべく大きく切って、咀嚼回数を増やすようにしましょう。また、長時間の調理で食材に火が通りすぎてしまうと、食感が失われてしまって咀嚼回数を減らす要因になってしまいます。炒め物などをする時は食感が残るように食材は大きめにし、加熱時間にも注意してみましょう。
5)食感が異なるものを一緒に食べる
食感が異なるものを一緒に、というのはどういうことかと言うと、口の中に入れる時に柔らかい物だけではなく、かみ応えのあるような、別の食感のものを組み合わせて食べるなどです。
例えば卵豆腐を食べる時に、海苔や納豆、キムチなどをトッピングして食べる、といった形です。卵豆腐だけ食べようとすると、噛まなくても、つい舌でつぶして飲み込んでしまいがちです。しかし、納豆などのように粒状のものや、海苔のようにそのまま飲み込めないもの、キムチのように食感があって噛まなければ飲み込めないものなどを一緒に口に入れることで、柔らかい豆腐を食べていても、自然と噛むことができるという効果が得られます。こういった組み合わせは食材で様々あると思いますので、ぜひ食べる時の組み合わせは工夫してみましょう。
6)楽しく食べる!
何より大切なのが「楽しく」食事を摂るということです。ストレスの多い状態で食事をしても、脳から必要なホルモンがちゃんと分泌してくれませんし、しっかり噛もうという意識も向けることができません。そして、消化酵素の分泌も低下しまいますので、胃や腸からの必要な栄養素の吸収も当然悪くなってしまいます。
なので、ダイエット中は食事は楽しく、感謝して摂りましょう。
なお、嚼む回数を増やすことで食欲のコントロールができるというメリットの他にも、もしかしたら、あごの筋肉をたくさん使うので、小顔にもなれるかも? と思えば、ますます楽しみが増え、効果が増すのではないでしょうか。
少しの工夫で食事量を減らし、食事の時間を楽しめると、自然とダイエットも楽しくなりますよね。たくさん噛むことによって、優秀な腸管を育てることにもつながってくるので、ぜひできることから始めてみてくださいね。
腸内細菌は、脳にも影響する? 認知症やうつ病などにもなりやすい?
私達の腸内には、約1000兆個もの腸内細菌が生息していると言われています。そして腸は免疫細胞のかたまりと言われていますので、腸の状態がどのような影響を及ぼすことは色々な方面で研究されているようですが、特に「脳」と「腸内細菌(善玉菌、悪玉菌)」との関わりが明らかになってきているようです。
例えば、認知症の人の腸内細菌を調べたところ、悪玉菌が多く、善玉菌が少なかったそうで、悪玉菌が多いと認知症やパーキンソン病など、難病と呼ばれる疾患に結びつくことが世界中の論文で発表されているそうですよ!
腸の状態が脳にそんな影響を及ぼしているとは、正直とても驚きです。
また、ベーコン、ハム、ソーセージ、サラミ、パテなどの飽和脂肪酸の多い加工肉や、ジャガイモ、フライドポテトなどのデンプンの多い食品、クッキーやケーキ等の菓子類、甘いスナックなど、カロリーの多いスナック菓子を好んで食べるようなスタイルの食生活を送っている人は、認知症になるリスクが高いそうです。
アルツハイマー病を含む認知症は、症状があらわれる数十年も前から始まっていると考えられているので、食習慣が長期的に影響している可能性が高いということですね。
さらにもっと驚きなのは、腸内細菌は私たちの「思考」や「行動」「感情」、そして「性格」にまで影響を及ぼしているのではないか?という発表もされている点です。
ある特定の菌が多い被験者にネガティブな画像を見せるという実験したところ「不安」や「苦悩」などのネガティブ感情を強く感じたという結果が出たそうです。そして、全く同じ画像を見せたとしても、腸内に異なる菌が多い人は、そこまでネガティブな感情は出なかったという結果も出ていて、腸における菌の種類やバランスによって、私たちの考え方にまで影響を及ぼしているのはとても興味深いです。
では何故、腸内細菌が「ストレス耐性」や「うつ状態」にまで関与しているのではないか?と言われているかというと、その理由は「脳内での神経伝達物質の産生に腸内細菌が大きく関わる」からなのだそうですよ。
そして、神経伝達物質の過不足によって「うつ病」や「統合失調症」などの精神疾患や「パーキンソン病」などの脳神経疾患の発症につながると考えられているためです。
腸内環境を健康に保つことは、脳の健康にも大きな影響がある、ということなので、ここでも腸が本当に大事だということを改めて痛感しますね。
さて、認知症リスクを抑えるための摂取すべき食事の内容ですが、緑黄色野菜、果物、ベリー類、ナッツ類、全粒穀物、魚介類、鶏肉などだそうです。こういった多様性に富んだ食事を続けている人は、認知症を発症するリスクが低かったそうです。さらに、先ほどお伝えしたような加工食品やスナック菓子などの不健康な食品を食べる頻度を減らすことも必要です。実はこれらは、「糖尿病の食事療法」とも共通点が多いんだそうですよ。そして、こういった食事は、「腸の健康=脳の健康を維持するための食事」にもつながっていきます。
また、特定の食品や栄養素にこだわらず、多種多様で栄養価の高い食品を組み合わせることも大切になります。これがカラダに良いとか悪いとか言われると、ついつい特定の食品や栄養素ばかりを食べ続けたり、逆に避けるようになったりしがちですが、食品全体のバランスや組み合わせを意識してみましょう。たとえば食事をフライドポテトとコーラだけで済ませるのは、当然避けた方が良いですが、どうしても時間がなくて、たまにこういう組合わせになってしまうのと、常にこういった食事で済ませてしまうのでは全然意味合いが変わってきます。
多様性に富む健康的な食事スタイルを維持することが、生活習慣病を改善し、老化を予防し、かつ認知症やネガティブ感情といったものから私たちを守ってくれることになります。
認知症やうつ病を予防したいと思う方は、とにかく幅広く栄養価の高い食品を摂り、食事全般が健康的なものになるよう心掛け、特定の食品の摂取量だけでなく、食品のバランスや組み合わせをぜひ意識してみてください!
腸に良い食事って、脳のためにも本当に大切なんですね。
免疫力を上げる食事とは?
さて、腸が大事というお話の中で、
腸活だけではなくて腸を育てる「腸育」の大切さ
をお話してきました。
腸はリンパ球のかたまり、免疫細胞の塊と言われていますので、腸を育てることが免疫力アップにつながります。では、免疫力を高めるには、実際にはどのような食品を摂るのがよいのでしょうか。
○免疫力を上げるには何を食べればよい?
やはり、従来の日本食「まごはやさしい」が最高です!
ちなみに「ま=豆」「ご=ゴマ、ナッツ類」「は=発酵食品」「や=野菜」
「さ=魚」「し=しいたけ・キノコ類」「い=イモ類」です。
特に、腸内細菌のエサになったり、腸の環境を良くするものとして、納豆や豆腐、
小魚・青い魚を食べましょう。
ただし、マグロやカツオなどの大きい魚は海中で生息している間に重金属や水銀など
の毒素を含んでいる可能性がありますので、毎日大量に食べる人はあまりいないとは
思いますが、食べ過ぎには注意が必要です。
時々、お刺身などで少量食べる程度ならば大丈夫でしょう。
しいたけは毒出しの効果もあり、ミネラル豊富です。
そして、イモ類は腸内細菌のエサになります。
○腸内細菌のエサとなるもの(プレバイオティクス)
腸内細菌のエサになるものを専門用語では「プレバイオティクス」と呼びます。
そしてプレバイオティクスは、水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維に分かれます。
■水溶性の食物繊維には、海藻類(寒天・ひじき・めかぶ・わかめ・もずく・昆布)
果物類(リンゴ・バナナ・キウイ・レモン・カキ・モモ)などがあります
■不溶性の食物繊維には、穀物類(トウモロコシ・アマランサス・玄米など)や
豆類(インゲン豆・ひよこ豆・エンドウ豆・大豆など)
根菜類(コンニャク芋・サツマイモ・ジャガイモ、ニンジン・ゴボウ)
ナッツ類(アーモンド・ゴマ・クリ)
葉野菜(パセリ・明日葉・春菊・ほうれん草)
○ヨーグルトなどの乳製品は免疫力を上げるか?
よく、腸内環境を良いから・・と思って、乳製品(ヨーグルト、牛乳、チーズ)を
大量に食べる人がいます。もちろん、乳製品の中に含まれる乳酸菌は腸にとっては
良いものです。ただ、乳製品に含まれるカゼインというタンパク質は腸に悪影響を
およぼす可能性があります。なぜなら、カゼインという成分は人間のカラダで消化
しにくいタンパク質のため、消化の時に腸に負担をかけるためです。
ですので、小腸にカゼインがたくさん入ってくると免疫力が下がる可能性があります
ので、気を付けましょう。
○免疫力を上げるために、たくさん食べることは良いこと?
量をたくさん食べると、消化するために内臓をフル稼働させることになり、内臓疲労
を引き起こしてしまう原因となります。そして消化でエネルギーを使い過ぎてしまう
と免疫システムが落ちることもあるので気をつけましょう。
また、消化に負担がかかるものは、一度に大量に食べないことも重要です。
例えばお肉は動物性タンパク質として毎日摂取した方がよいのですが、胃酸の出が
悪い人は消化吸収がしづらいので、摂りすぎると胃と腸に大きく負担をかけます。
それ以外に消化に負担のかかるものとしては、さきほどの乳製品の他に、
小麦粉のグルテン(パン、麺)、添加物などが入った加工食品、保存料、殺菌剤など
が入っているもの、などです。
これらの免疫力を下げるものを食べないようにすることも重要です。
○免疫力を上げるための特効薬はあるか?
腸の中をキレイにして免疫力を高めるためには、それなりの時間がかかります。
特に良い腸内細菌に変わって腸壁が変わるまではその人の食事習慣によって変わりま
すが、悪玉菌が多い人は数週間~数ヶ月かかると言われており、通常の目安としては
約2ヶ月くらいです。そして、少しでも早く免疫力をアップしたい場合には、
ファスティング(断食)を行って腸内環境をキレイにするという方法もあります。
ただし、ファスティングの効果はそれまでの食習慣でしっかり栄養が摂れていないと
効果が薄かったり、逆に実施した時に色々な問題を抱えることにもなりますので、
やはり日頃からの食事が大切だということになりそうです。
腸活だけではなく、腸を育てる「腸育」も大事な要素!
さて先日、腸がカラダの中でいかに大切かというお話をしました。人間を木に例えるならば、木は根っこから水分と養分を吸収して葉を茂らせ、花を咲かせ、実を育てます。そしてしっかりとした根であればあるほど木は成長し、キレイな花や実が付きます。同じように人間のカラダもしっかりとした「腸」を育てると自分に必要な栄養を摂りいれることができ、不要なものをカットします。
そんな「腸」は、「免疫システムの本拠地」ですので、腸機能を高めることが非常に重要になってきます。ポイントをまとめてみると、下記のようになります。
○腸の役割
・食べたものを消化吸収します
・カラダや脳に必要な栄養を摂り入れます
・カラダや脳に不要なものをカットしてくれます
・カラダの中で最大の免疫力器官(体の免疫力の約70%が腸)
・幸せホルモンであるセロトニン(体内の90%)を腸で作り出します
・カラダの働きを助けるビタミンを合成します
・ストレスに強くなるよう体調を整えます
ちなみに生活していて、こんなことはありませんか?
・急にお腹が痛くなる
・毎日、お通じがない
・下痢をしやすい
・便が固すぎるor柔らかすぎる
・無性にお菓子やパン、麺類が食べたくなる
・夕方になるとだるくなる
・肌につやがない、潤っていない
・寝つきがわるい
・朝、すっきり起きれない
・イライラすることが多くなった
・やる気がでない
そして「腸活」は最近よく聞く言葉ですが、腸活は、腸内環境を整え、腸内細菌を「育てる栄養を摂る」ことや、腸内細菌や消化酵素を補うことで、腸を作ったり育てたりすることは含んでいません。
しかし、むしろ大事なのは「大切な腸を育てる」ことです。そのためには、
○優秀な腸管を作るための栄養素を摂り、腸管の「エネルギー」となる「栄養」を
しっかり摂ること(タンパク質、ビタミン・ミネラル、脂質、水分など)です。
これには「コラーゲン」が重要になります。コラーゲン繊維はアミノ酸が撚られて作られたもので、美肌を作ることでもよく聞きますが、実は腸も肌と同じ構造をしているので、コラーゲン繊維がしっかりしている必要があるんですね。また、しっかりしたコラーゲン繊維を作るためにはタンパク質だけではなく、亜鉛やビタミンCも必要になってきます。
また、もう一つ、大切なこととして、
○腸の老化を防ぐこと(炎症を抑えたり、酸化を防ぐこと)
・筋力を高める、 運動する
・良質な食事
・良質な睡眠
・ストレスの軽減
そして、上記に関連して「腸の温め」もとても大事なんだそうですね。
ちなみに体温が1度下がると免疫を司る白血球の働きが30%ダウンし、腸の働きも低下してしまうということは前にも触れました。35度台はガン細胞が最も増殖する状態となり、36.4度以下の場合は脂肪を貯め込みやすく脂肪は冷えるので、便秘にもなりがちです。また、自律神経失調症、アレルギー症状なども現れます。
何故なら体温が低いと、
腸が冷える⇒血流が滞る⇒腸の働きが悪くなる⇒悪玉菌が増える⇒感染症になりやすいという流れが出来てしまうからです。
ちなみに善玉菌は体温が低いと増えませんが、悪玉菌は体温が低くても増えますので、悪玉菌のバランスが増加すると、日和見菌も悪さをしてしまいます。また、ストレスが体温を下げるとも言われていますので、ゆっくり呼吸してストレスを軽減したり、適度に筋肉を動かして運動したり、旬のものを食べたりして「体温を上げる」ことで、善玉菌を増やし、栄養の吸収率が上げて、より腸を強くするといった循環が大切になってきますね。
ちなみにノーベル賞を2回も受賞したライナス・ポーリング博士の言葉で「人間の腸はゴッドハンドである」と言われているそうです。カラダに必要な栄養の量は人それぞれですが、十分な量を摂取すれば「健康な腸なら必要な栄養分だけ吸収してくれる」ので、あとは腸に任せればよい、ということなんだそうです。私達は自分が摂ったもので自分のカラダを作っていますので、要らないものは出来るだけ避けて、必要なものは充分にしっかりと摂るよう心がけたいですね!
カラダの酸化を防ごう「抗酸化について」
人間は酸素がないと生きていけませんが、酸素を取り込むことで「酸化」つまり「老化」が進んでいきます。酸化とは、酸素が他の電子を奪って安定する状態のことを言いますが、簡単にイメージすると「鉄が錆びる」ような状態ですね。つまり「酸化」はカラダが錆びていくので害になります。また、日々ストレスを強く感じる環境にあるために「活性酸素」が生まれ、カラダは酸化していきます。
ちなみにこの「活性酸素」は良く聞く言葉だと思いますが、もともとはカラダの異物を排除する免疫機能として働くものなのだそうです。本来、正常に機能していれば問題ないものなのですが、私達の生活ではこの活性酸素が増えすぎる傾向にあるので、カラダの機能に対して攻撃したり、害になっていきます。そのために水素水などを飲むことで、酸化を還元して活性酸素を除くこともオススメしています。(以前の記事:5Gの電磁波と水素水との関係でもお伝えしています)
では酸化を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
それには酸化の原因となる生活習慣を改善すること、そして「抗酸化食品」をできるだけ摂ることが必要となります。止めた方がいい生活習慣としては、タバコ、飲酒などでアルコールを摂り過ぎることは分かりやすい例ですが、激しく運動をし過ぎるのも酸化を促してしまうそうです。ま、これはアスリートのレベルじゃないと心配無用かもしれませんが(笑)。それから「太陽光の浴びすぎ」です。1日30分程度はビタミンD生成に優れているので浴びた方がいいのですが、紫外線が活性酸素を発生させるので、これもほどほどがいいということですね。
それよりも一番大事なのは「加工食品」や「食品添加物」を避けるということかもしれません。例えば市販のハムなどには様々な添加物が入っているので、それらが酸化を招くことになります。最近はスーパーやコンビニで食品を手に取った時に必ず裏面を見るクセがついてきたのですが、まあ本当にたくさんの添加物が入っていることに驚きます。
では逆に何を摂取すれば良いかというと、自然の生命力(植物)です。そして植物類(野菜、果物、海藻)を食べることによって、酸化を防ぐことができます。代表的な例としては、ビタミンCを多く含む柑橘類や、ベータカロチンを多く含むピーマン、かぼちゃ、パプリカ、ブロッコリー、小松菜などです。また、ポリフェノールを含む赤色の食材(ぶどう、いちご、しその葉、梅干し)などもいいですね。
そして、抗酸化物質としては、亜鉛、銅、マンガン、鉄などのミネラルも含まれています。また、できればこれらの食材の質を高めるために農薬や化学肥料を使わないオーガニックや自然栽培を選ぶとより良いですね。
なお余談ですが、筋肉が酸欠になると、疲労物質の乳酸が溜まるので、肩こりや腰痛の原因となるんだそうです。私は肩こりも最近はだいぶ良くなった気がするのですが、これも体質改善のおかげ?でしょうか。そして何より緑の多い空気のよいところに住んでいることも関係あるのかもしれません。自然の生命力で心を癒やすことでカラダの不調も改善されるのかもしれませんね。